B6, 384 pages
Japanese language
Published by 主婦の友社.
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「僕」は幼い頃に秘密の図書館みたいな部屋でユーリヤという女の子と出会う。 彼女が僕を「スプートニク」と呼んだ日から、 僕は彼女の衛星になり、まるで双子のように一緒に過ごす。 ユーリヤの夢は宇宙飛行士として月に行くこと。 月を目指していたのは、争いや国境のない世界に憧れていたからだ。 やがてスプートニクも、宇宙飛行士になって 二人で月に立つことを夢見るようになった。 だが、中学生になると、二人の心は離れてしまい、 国境線に背を向けるように別々に歩き出した。 そして、高校受験を控えた満月の夜―― 二人の心はまた通じあった。 この日から、スプートニクの長い旅がはじまる。 月までの距離384,400キロメートルを遥かに超えてユーリヤと再会するという旅が。 スプートニクは宇宙飛行士を目指してひたすらに走り続けた。 二人は何度も離れ離れになり、何度も再会した。 種子島で、星の街で、インドネシアの島で、月面で、そして――。
スプートニクにはもう一人、特別な女の子がいた。 月で生まれた最初の人類「ルナリアン」――ソーネチカ。 彼は、ソーネチカの誕生を見届けるために月に上がった。 二度目の月に。そう、彼は幼いころの夢を叶えていた。 ソーネチカの誕生を見届けた後、彼は月で彼女の成長を見守った。 ソーネチカは全人類の夢を体現したような、とても特別な女の子だった。 彼女は成長するにつれて地球に恋焦がれ、青い星を目指すようになるのだが――。